うどんこのお雑煮

映画とか読書とかジャグリングとか歴史。

見えないものと見えるもの読了

下記記事から興味を持ち読んでみた。
書評:「見えないものと見えるもの」 石川准 : タイム・コンサルタントの日誌から

これ。

見えないものと見えるもの―社交とアシストの障害学 (シリーズ ケアをひらく)

見えないものと見えるもの―社交とアシストの障害学 (シリーズ ケアをひらく)

記事にも書いてあるように、
感情労働について記載してあり
かなり面白かった。

感情労働というのは
その職務内容に感情を制御することを
求められる労働の種類のことである。

さてこの感情の制御だが、
制御の方法について
人によって2種類の指向があると考えるが、どうか。
つまり、

  1. 相手の感情を操作するために自分の感情を開放する(外向)
  2. 相手の感情から守るために自分の感情を保護する(内向)

1については、著書にもあるが、
俳優の感情制御が該当すると思う。
ハリウッド俳優がよくやるらしき、
メソッド演技という手法では、
過去の自分の感情を呼び水にして
感情を増幅させ演じるようだ。
または怒り等によって人を制御しようとする
マネージャ等はコレにあたるだろう。(遠い目

2について、これは僕に当てはまる。
僕はプログラマなのだが、
プログラミングにはそれなりに
集中した状態が必要だ。
これを維持するためには
頭は冷静でいる必要がある。

またはジャグリング(趣味)で
ステージに上がるときも
自分の感情を制御していると感じる時がある。
特にそれを楽しそうに見せる場合に
顕著にそう感じる気がする。

これは、
ジャグリングはその難易度故に
感情は常に落ち着いている必要があるが、
しかし、パフォーマンスとしては
気持ちが高揚しているように見せる必要がある
という矛盾を抱えるからであると思う。
認知科学的には、
体の動きから脳が楽しいと判断するみたいなのだが、
それは嘘なんだよと必死に脳に言い聞かせる感じだ。
めちゃ大変である。

さて、この著書の中では
とりわけ看護についての記載が詳しい。
感情の制御に人の生き死にが
絡むのである。壮絶。
詳細については、ぜひ読んでみて欲しい。