うどんこのお雑煮

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仁義なき戦い 観賞後感 わしも広島弁ですごんでみたいんじゃわりゃぁ! 80点

仁義なき戦い [DVD]

仁義なき戦い [DVD]

1973年の作品。
同年にゴッドファーザーSting
日本沈没パンダコパンダ等。
古いですね。

監督は深作欣二
バトルロワイヤルですね。
主演菅原文太。割と最近亡くなりましたね。
最近だと、千と千尋の釜爺の声ですかね?
その他松方弘樹田中邦衛
梅宮辰夫といった個性的な面々です。

んでまずこの映画観た理由なんですが、
春日太一著、仁義なき日本沈没という本がありまして。

仁義なき日本沈没―東宝VS.東映の戦後サバイバル (新潮新書)

仁義なき日本沈没―東宝VS.東映の戦後サバイバル (新潮新書)

戦後の東宝東映の日本映画史が俯瞰できる名著なんですが、
そこに大体こんな感じに紹介されています(要約してます)。

60年代から不審に苦しんでいた映画界。
しかし1973年がその境界線となる。
東宝東映という戦後鍔迫り合いを繰り広げてきた
二つの大手映画会社が久々に放った二つのヒット作。
東映仁義なき戦い東宝日本沈没
この日本が方や"昔"の終わりであり、
方や"今"のはじまりなのではないか。

ってそんな映画、観ないといけないじゃないですか!
(# ゚Д゚)

というワケで観ました。

もう序盤から戦後の混沌に圧倒されます。
そこら中で女はやられるは男は殴られるは
腕は千切れるは血が吹き出すは。。。
ス、スゴイエネルギーだ!!!
(;´Д`)

そして若干混沌とした中盤から
(登場人物多すぎ!!w)
衝撃のラストへ。

全編通してキャラが広島弁
凄みまくるので、物凄く
広島弁が喋りたく
なります。

というワケで、
こがぁなおもろい映画見らんかったらぁ、
後悔するでぇ、オヤジィ!!!
何も言わずに観さらせ!!!
おすすめです!!!

広島弁変換|ソーシャル達川くん
このアプリも便利でした!w



以下ネタバレです。



さてこの映画なんですが、
ざっくり3つに分かれると思います。
菅原文太2度目の服役前。
服役中。
出所後。

ほんで、服役前後で
キャラクターは変わっていないのに、
映画としての役割が全く変わっているのが
面白いですね。

特に出所後の神感、ゾンビ感が良いです。
全てを俯瞰して見ることができる。
親父は自分を馬鹿だと思っている。
旧友も自分を信じていない。
それが分かるゆえに悲しい。

ラストはそういった鬱屈とした"何か"に
決別するという意味で、
"No!モノ"(僕が勝手につけた名前w)として
物凄く良いです。
これは例えば、
アパートの鍵貸しますとか、
猿の惑星ジェネシスとかと
同じ種類のカタルシスなんじゃないかと。

僕の場合は"何か"は会社であったり
仕事であったりなんですが、
この作り手の場合、それは国とか
社会であったようです。

また仁義なき日本沈没より引用します。

「昭和二十年の敗戦でガラガラと崩れ去った
日本の支配体制が、
二十年もすると復古調の波に乗って
チャッカリと登場し始めるんです。
それが我々焼け跡世代の人間には
腹が立って仕方がなかった」(深作欣二)

その感情がラストによく効いてるように感じました。
「山守さん……弾はまだ残っとるがよう……」

いつの時代もこういうのは、
海外でも日本でも変わらんと
いうことですね。