教育について① 教育の起源と種類
娘や息子が小学生になり、学校にいかないといけないのはなぜか、たまに問われるようになってきた。泣こうが喚こうがとりあえず行かせているけど、状況によっては行かせない日もある。*1
学校に行かなくてはいけないのはなぜかという問いに、親が答えを持ってないっていうのは無責任かなと思うし、少なくとも、今の教育がなぜこうなっているかを知っているべきではあるような気がする。というわけで、最近は、往復二時間の通勤時に教育の歴史を聞きまくっている。楽しい。
教育の歴史 ー人間は何のために学ぶのか?ー【COTEN RADIO #197】 - YouTube
以下は、僕の感想も混じっているところもあるが基本的にはコテンラジオの要約である。正確なところはコテンラジオを聞いてほしい。
教育の起源
紀元前、文明が色々な地域で生まれて来た。裕福になり、宗教や芸術が発展していく中で教育も生まれた。確認されている最古の学校はシュメール人が作ったもののようだ。紀元前2000年前、メソポタミア文明でのことである。彼らが治めた土地はアジアとヨーロッパを結ぶ交易の拠点だったために商業が大いに栄えた。商業を滞りなく行うには読み書きそろばんが必須であったため、教育を国が行った。
話は飛んで紀元前300年頃の古代ギリシャへ。ここでは民主主義による政治が行われていたが、衆愚政治が起きてしまい、加えてペルシャまで侵攻してきた。混乱の中で人々は「本当に頭の良い人がリーダーにならないと国が滅びる」と考えたようだ。ソクラテス〜アリストテレスを経て、ここでも学校ができる。これをリュケイオンと呼んだが、ここでは国が画一的な教育を行ったというよりは、主に民間人によって、哲学や学問について真剣に議論していたようだ。
教育の種類
シュメールとギリシャを見比べてみると、教育とはトップダウン型の教育とボトムアップ型の教育があると言えると思う。
教育方法 | 主体 | 方向 | 代表例 |
---|---|---|---|
トップダウン | 国 | 集約的 | シュメール、西EUキリスト教*2、中国の科挙制度 |
ボトムアップ | 民間 | 発散的 | ギリシャ、西EUギルド制度*3、中国の諸子百家 |
上記を見ると、トップダウン型の教育を行っていたのは比較的安定した時代で、主に国家が必要な教育を国民に施すという形を取った。これとは反対に、国の分裂が起こったりして混乱した状態の中で、何を教育すべきか迷っていた時代にボトムアップ型の教育が行われた。トップダウン型の方が効率よく国家が必要な内容を国民に浸透させることができる一方で、判断を誤ったときの影響が大きい。ボトムアップ型の方が納得感のある教育ができそうな一方で、局所最適の罠に陥る可能性も大きい。良し悪しである。
では現在の日本はどうかというと、義務教育があり、国が教師を雇って教育を行っているのだからトップダウン型だと言っていいように思う。民間で教育を教える塾もあるが、これも「何を教えるべきか?」といったところまでは届いておらず、何を教えるかは国に委ねられている。これは、現在日本が比較的安定しており、教育が目指すべき大きな方向がある程度定まっているからだろう。*4
ではなぜ日本がトップダウン型教育を選択しているのか?それについては次回。